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コーヒー値上げの原因

コーヒー値上げの原因

近年、コーヒー市場は厳しさを増してきています。2000年からのコーヒー豆の取引価格の推移を見てみると、2001~2002年を底に徐々に上がり続け、2011年には6倍にまで一気に跳ね上がりました。その後少し落ち着き、2014年初めまでは1/3くらいまで価格は下がったものの、2014年の春以降はまた2倍近くまで上がりました。

2015年に入るとコーヒー取引価格は徐々に下がり2014年の初め頃と同じくらいの価格になりましたが、大手メーカーでも、個人経営のコーヒー店でも値上げを回避できない状況が続いています。コーヒーの値上げの原因はどこにあるのでしょうか。

コーヒー値上げの原因

コーヒーの値上げの原因は1つではなく、いくつもの要因が重なり引き起こされています。基礎的要因は需要と供給のアンバランスです。新興国(特に中国やフィリピン)に牽引され世界的にコーヒー消費量が拡大していますが、生産国ではこの需要の拡大に対応できるような体制が整わず、コーヒーの世界在庫が減少し続けています。

経済的要因

世界最大の生産国であるブラジルを例に挙げると、これまでのブラジルではコーヒー豆は外貨を得るための輸出用で、国内消費には輸出規格に満たないものが使われていました。

しかし、経済発展によって国内でも品質の良いコーヒー豆が求められようになり、生産よりも需要の方が大幅に伸びているようです。また、フィリピンでは2014年度のコーヒー消費量が世界第6位になり、2013年度の消費量と比べると約2倍近くになっているという話もあります。

自然的要因

そこに重要な生産国である中米でのさび病の蔓延、ブラジルなど生産主要国での天候不順や自然災害の発生、コーヒー豆が先物商品となり世界規模で行われる投機的買占め、生産国の人件費値上がり、内戦、など様々な要因が複雑に絡み合い、そこに円安が追い打ちをかけている状況です。

人的要因

また、考えられるのが豆の管理や扱う企業の問題です。ある豆を美味しい・評判だからといって大量に買い付けても、結局それが適当な仕入れと適切な販売ができずに売れ残ってしまうと、デリケートなコーヒー豆の品質は悪くなる一方です。

その品質の悪くなったコーヒー豆が販売されてしまった場合、その評判は覆ります。持続可能なコーヒーの生産が滞り、5年10年という時間をかけてコーヒー生産量の低下、そしてコーヒーの値上げに繋がったという考え方もあります。

懸念される気候変動による収穫量減少

コーヒー値上がりの要因の1つである天候不順ですが、将来的には気候変動による影響でコーヒーが手軽に飲めなくなってしまう恐れがあると指摘されています。世界的な気温上昇に伴い、これまでのような「にわか雨」とは呼べない猛烈な大雨が降り、ハリケーンの襲来も増え、地滑りによってコーヒー農園自体が泥に埋まってしまうなど、被害は拡大しています。

雨の影響ばかりではなく、気温上昇により乾燥が増し、コーヒーの生産量が落ちている国もあります。専門家の調べでは、アラビカ種の栽培に適した環境の土地は2050年までに現在と比べて、約半分にまで減る恐れがあるそうです。昔からコーヒーの栽培が盛んなインド・中米・ベトナムなどでは特に影響が懸念され、環境悪化が進んだ場合、コーヒーの価格は25%上がる予想もされるほどです。

また、他の植物の生産性が向上しそれらの種子が安くなることで、コーヒー栽培に携わる農家がコーヒーに見切りをつけ、転向してしまうことも考えられます。そうなるとコーヒー価格は50%上がることもあるのではと指摘されています。実際にコーヒー農園からゴム農園に転向している生産地もあるので、楽観視はできません。

コーヒーと値上げの原因まとめ

値上がり続けるコーヒー価格。このままでは将来コーヒーは手の届かない高級品になることもあり得ますし、価格を維持するために品質を落としたコーヒーが出回ることも懸念されます。円安が解消すれば何とかなる問題ではないようです。

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coffeemecca編集部

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