大人の秘密基地的古民家カフェで本格コーヒーを
ずっと前からそこにあると知っているのに、一度も入ったことのないお店が誰しもあるのではないか。服屋なのか、ごはん屋なのか、そもそも店なのかもわからない。私にとって、この店が正にそうだった。
そこは古民家を改装したカフェだった。 一言で表現するのが困難だが、とにかく、来る人を魅了するアレコレがぎゅっと詰まっている。どこにでもある流行りのカフェとは違うのだ。 ここは私にとって、カフェという枠に収まりきらないくらい、それ程に好きな店だ。
通りに面した立地だから、大抵は車で通り過ぎるだけで、ゆっくりとその外見を眺めたこともなかった。よく見るととてもお洒落だ。お洒落という一言では言い表せない。 庭に建てられた二階建ての空間は、まるで秘密基地の様。ブランコや本棚など、大人も童心に帰って楽しめる仕掛けがある。
庭の様々な工夫にひとしきり感激し終わって、ようやくお店に入る。
その空間をどう表現すればいいのかまたしても迷う。きっと訪れる人によって、感じ方はそれぞれ違う。私の場合は、「最高!」とずっと言い続けていた。
店内は床から天井まで、そして全ての壁に何かが吊り下がっていたり貼り付けられていたりしている。ドライフラワーや、黒猫の写真や、マイケルジャクソンの人形。家具はみんなバラバラで、どれも強烈な個性を放っている。それなのにどうしてだろう、不思議と統一感がある。kedi baskan(ケディバシュカン)というひとつの空間に、全てがしっくり来ているのだ。
ここがただ可愛くておしゃれなだけのカフェと違うのは、自家焙煎コーヒーの専門店であること。オリジナルブレンドは、4匹の黒猫の性格をそれぞれイメージしている。ストレートもあるので、気分に合わせて楽しめる。どれを選んでも、スペシャルティグレードのお店自慢のコーヒーだ。 もしもどのコーヒーにするか迷ったら、YES/NO占いで!選び心いっぱい!
ペーパードリップかコットンドリップのどちらかを選ぶことが出来る。たとえコーヒーに詳しくなくても、どちらがおすすめか教えてくれる。豆の量り売りもしており、コーヒー好きには嬉しい。
家で豆は挽けないという人には、ドリップバックがおすすめ。オーナーさんオリジナルのユーモア溢れるパッケージは、おみやげにもぴったり。
無造作に壁に貼られた写真たち。気取らないラフな感じが、知人の家に居るような、ゆったりとした時間を与えてくれる。
コーヒーだけでなく、食事やデザートも充実。
ランチプレートやサンドイッチは、子どもの頃に誰もが胸をときめかせたお子様ランチのように旗が立てられて、見た目も華やか。
お正月に訪れた際には、猫のモチーフの横に「akemashite omedeto wan」の文字が。(戌年!)
雑貨や服の販売もしており、なんとオーナーさんが着ているものまで売っているというのが面白い。落語が趣味の焙煎士・katumiさんと、服も作れて多彩な料理人・yuccoさんの二人、そして店内には居ないけれど存在感のある4匹の猫たちが様々なアイディアを持ち寄り、この空間を構成している。
インテリアや、お庭、メニューの細部に至るまで、進化が止まらない。数ヶ月経つと変わっていることが多いため、ここに書かれていることもきっともう過去になっている。
こだわりのコーヒーと新しいアイディアに出逢うべく、今日のkedi baskanに出掛けたい。
kedi baskan ケディバシュカン 店舗情報
住所:愛知県常滑市青海町1-31
移動時間:名鉄常滑線西ノ口駅より徒歩8分
営業時間:月~金 11:30~23:00 (food LO 22:00 drink LO 22:30) / 土・日 8:00~18:00
定休日:毎週火曜日、第1・3・5月曜日
wifi:なし
電源:なし
喫煙:禁煙