どの国も独自のコーヒー文化を形成してきていますが、スイスに関してはちょっと異質です。コーヒー消費量の多い国としても知られているスイス。その特殊なコーヒー文化と特徴について見てみましょう。
コーヒー消費量の多い国スイス
ヨーロッパは、世界的にみてもコーヒー消費量の多い国ばかりです。そのなかでもスイスは、北欧のフィンランド・デンマーク・ノルウェーなどに次いでコーヒーの消費が非常に多い国とされています。
1日に何杯もコーヒーを飲む人も多く、街角のカフェでは様々な人が思い思いの時間をコーヒーとともに過ごしているのだとか。
地域によって変わる多様的なコーヒー文化
スイスのコーヒー文化の大きな特徴として、“地域によって主流となるコーヒーが異なっている”という点。スイスには、ロマンシュ語・イタリア語・ドイツ語・フランス語の4つの公用語があり、地域によって使われている言葉が違います。そのためか、地域によってコーヒーの認識も異なるのです。
- イタリア語圏内でのコーヒー(ロマンシュ語も含む)
イタリア語圏では、コーヒーを注文すると“エスプレッソ”が出てきます。この地域では、コーヒーを注文する際に「caffe-liscio(カフェ・リーショ)」と言わないと出てこない店もあるくらい、コーヒー=エスプレッソが浸透しているようです。 - フランス語圏内でのコーヒー
フランスに近しい地域のフランス語圏では、コーヒーは薄口のエスプレッソのようなものが主流とされています。 - ドイツ語圏内でのコーヒー
ドイツ語圏内では、コーヒーを注文するとアメリカンコーヒーのようなものが出てくるのが一般的です。
このように、スイスでは話されている言語圏ごとに、各隣接国の特徴を表したかのようなコーヒーが主流となっているのです。また、こういった多様性をもっていることにより、遠方の他国で流行となる文化が影響されやすいという一面もあります。
同じ国の中でここまで大きな違いがあるのには驚きです。
スイス・コーヒーとは?
コーヒーは、国によって独自の文化によって発達していくため、特徴的な飲み方がされていることも多い飲み物です。イタリアで言えばエスプレッソ、トルコで言えばトルココーヒー、フランスと言えばフレンチプレス、等が挙げられます。
厳しい寒さに耐えるためのコーヒー?
スイスにおいて特徴的なコーヒーの飲み方といえば「スイス・コーヒー」です。
スイス・コーヒーは、「キルシュ」というサクランボのお酒にコーヒーとミルクを加え、ホイップクリームを浮かべた甘いカクテルのような飲み物です。
スイスといえば冬の厳しい寒さでも知られていますが、寒い冬を越えるために独自の飲み方としてこのスイス・コーヒーが広まったのかもしれませんね。
乳製品が有名な国ならではの…
山岳地帯の多いスイスでは、チーズやヨーグルトといった乳製品が豊富です。そんなスイスらしいコーヒー製品に「コーヒー・ヨーグルト」というなんとも不思議なヨーグルトがあります。
甘めのヨーグルトにコーヒーの苦味が効いたスイーツで、各メーカーから発売されているほどの人気製品らしいです。スイスへ旅行者に行く方々のお土産としても人気なのだそうですよ。
スイスのコーヒー文化と特徴 まとめ
隣接した国のコーヒー文化を複数まとっている、スイスのコーヒー文化。各言語圏によって、コーヒーの特徴も変わってくるというのは興味深い話ですよね。その柔軟に形成された文化には、何かしらの革新的な可能性すら感じます。
寒い国だからこそ生まれたスイス・コーヒー、乳製品が豊富だからこそ人気なコーヒー・ヨーグルトなど、必然性の中で育まれてきた独自のコーヒー文化も、まさにスイスの国民性が感じられます。