☕ エスプレッソ×ビール「Valente’s Double Espresso」

エスプレッソ×ビール。相性はとても良さそうで、しかし店頭では見かけない組み合わせです。実は密かに日本でも発売されていて、世界的にも認められたエスプレッソのビールがあるのです。

それが、今回ご紹介する「Valente’s Double Espresso」なのです。

革新と栄光のフレーバービール

Valente’s Double Espressoはスコットランドにあるブリュワリー「Black Wolf Brewery」で作られています。名前から想像できるように、老舗ではなく新興のブリュワリーです。

新興ということもあり革新的なビールで有名で、今回のエスプレッソ・ビール以外にも、スコットランドの代名詞スコッチウィスキーを使ったビールも販売しています。

2012年世界トップに輝いたフレーバービール

このValente’s Double Espresso、新興ブリュワリーのビールだからと言って舐めてはいけません。

「World Beer Award」という、世界一のビールを決める祭典のフレーバービール部門において、2012年に「Winner（＝優勝）」つまり世界一に輝いたのです。さらに2012年だけではなく、前後の2011年と2013年には同部門で金賞を受賞しているのです。

ではこれから、このように世界と専門家のお墨付きを貰った「Valente’s Double Espresso」の美味しさについてお話しさせていただきます。

甘くトロンとした風味

「Valente’s Double Espresso」は、エスプレッソにエールという製法のビールを混ぜたものです。

このビールに使われているエールは、後ほど詳しくお話ししますが、香り風味とも柔らかく飲みやすいビールです。日本のラガービールに慣れている方には、この点も驚きかもしれません。

甘く芳醇な香り

グラスに顔を近づけると、砂糖を加えた甘いエスプレッソに似た香りがします。エール系のまろやかで芳醇な香りと上手く混ざり合っていて、飲まずに香りだけでも満足感が得られます。

チョコレートやキャラメルのような風味

泡・液体ともに、エスプレッソとエールの甘く滑らかな風味が上手く混ざり合い、とても美味しいです。

少々専門的な話ですが、エールの中でも「ブラウンエール」という種類のビールに近い味がします。エスプレッソの風味と相まって、チョコレートやキャラメルのような濃厚で甘くトロンとした風味が印象的です。

甘いエスプレッソの余韻

また注目したい点が、キュッと締まったビールの酸味が過ぎた後の余韻です。甘くまろやかな余韻がフワッと感じられます。砂糖を多く入れた甘いエスプレッソと甘いエールを足して2で割った味です。

ではなぜ、Valente’s Double Espressoは、このような甘く濃厚なビールなのでしょうか？

エスプレッソとエールの組み合わせ

エールとは？

エールは、ギネスやバス・ペールエールのように、イギリスやアイルランドでは一般的なビールです。濃い色やギネスの印象から苦いと思われがちですが、エールは製法の一種であり、銘柄によって風味は十人十色です。

ギネスのように苦いものから、もの凄く甘いエールまで様々ありますが、全体的な傾向としてエールは豊かな風味という特徴があります。

なぜ甘いのか？

Valente’s Double Espressoは、黒色にもかかわらず非常に甘くトロンとした風味を持っており、いわばドライビールとは対極的な存在です。

実はこの甘み、砂糖で甘みを付けたものではありません。エールの製法のビールに多く見受けられますが、ビール酵母で発酵させる際に「糖化」という現象が起こります。

これは炭水化物が糖分に変化することです。身近な例でいうとお米を噛んでいると唾液によって甘くなるように、発行する過程で麦に含まれる炭水化物が糖分に変化して甘くなるのです。

ダブルエスプレッソの濃厚な味

気になりながらも放置してきた「Double Espresso」の文言。これはエスプレッソの量が二倍という意味ではなく、エスプレッソの二倍の濃さ（＝ダブル）ということです。

通常のエスプレッソより濃厚なため、エールの甘く芳醇な風味との相性が良いのです。

Valente’s Double Espressoの美味しい飲み方

ビールというとキンキンに冷やして飲みたいものです。しかしエールは豊かな風味が特徴であるため、冷やしすぎると折角の風味を感じづらくなってしまいます。

夏は野菜室、冬は冷暗所に置いておくと程よい温度でオススメです。つまり5～10℃くらいがベストということです。