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焙煎による苦味の変化

焙煎による苦味の変化

コーヒーの苦味は焙煎の度合いによって変化していきます。もちろん豆本来の特性も関わってきますが、ある程度は焙煎でコントロールすることが可能です。ここでは、焙煎具合によって変化していくコーヒー豆の“苦味”に関して見ていきましょう。

そもそもコーヒーは“苦くない”

私たちが普段目にするコーヒー豆は焙煎が終わった状態のものです。茶色く香ばしい香りがするのは焙煎によって熱を加えているからであり、コーヒー本来の“生豆”はあのような色・香りはしません。

焙煎前の豆は緑〜白っぽい色をしており、この生豆の段階では苦味を感じることはないのです。

焙煎による風味の変化

コーヒー豆_焙煎_コーヒーミル_香り

コーヒー生豆は焙煎を進めることによって“酸味”が生まれ、徐々に苦味へと変化していきます。焙煎には8段階あり、それぞれ酸味と苦味の強さに違いがあります。酸味のある焙煎度合いは浅煎りであり、あっさりとした風味を楽しめます。

対して苦味の強いコーヒーを楽しみたい場合は、深煎りと言われるほど強めに焙煎をすることでガツンとくる風味を連れてきてくれます。

苦味の無い「ライトロースト〜シナモンロースト」

ライトロースト、つまり一番浅い焙煎度合いは、本格的なロースティングを始める前に行われる“蒸らし”という水分を減少させる工程を経てすぐに焙煎を止めてしまいます。この段階では、コーヒー特有のコクもなく、色も薄いため「本当にコーヒーなの?」と思えるような味わいになっています。

シナモンローストの段階でも、苦味はうっすらとしか感じられず味のほとんどを酸味が占めています。“さっぱりとした”という印象が強く、焙煎による苦味の進行はまだまだ弱いです。日本ではこのような浅煎りの豆はほとんど使われておらず、北欧系コーヒーのショップが一部取り扱っている場合が多いです。

酸味主体の風味「ミディアムロースト〜ハイロースト」

ミディアムローストになると、多少苦味を感じられるようになりますがそれでもまだまだ酸味が主体の味わい。アメリカンコーヒーで使われることが多いため、飲みやすくてさっぱりしたアメリカンのイメージです。

コーヒー豆の焙煎で最も多いとされているハイローストは、苦味と酸味のバランスが取れ始めてきた段階です。酸味も十分に残っていますが、ほんのりとした確かな苦味も感じられるため、私たちがよく見知ったコーヒーの風味に多いです。

ロースト コーヒー豆 生豆

バランスの良い「シティロースト〜フルシティロースト」

中煎りと呼ばれ始める段階のシティローストは、苦味と酸味が均衡しておりたくさんのコーヒー豆に適用できる万能な焙煎具合です。非常にバランスが良く、“酸味の強い豆なら酸味”“苦味の強い豆ならコク深い苦味”を強く感じることができます。日本でも好まれる焙煎具合ですね。

フルシティローストになると、確実に苦味が増しており酸味と苦味の割合が逆転してきます。しっかりとした香ばしさを感じ、苦味の強いコーヒーとして楽しむことができます。

深煎りの王道「フレンチロースト〜イタリアンロースト」

フレンチローストからは、深煎りと呼ばれる段階に区別できます。酸味がほとんどなく、苦味が全面に際立つコーヒーの味へと変化しています。さらに焙煎を進めイタリアンローストにすることで、もはや酸味は感じられません。

エスプレッソやアイスコーヒーで使われるような苦味がメインの焙煎具合で、濃厚な苦味とスモーキーな風味を味わえます。

焙煎による苦味の変化 まとめ

浅煎りの状態ではほとんど感じられなかった苦味が、焙煎を進めることによりだんだんと強くなっていきます。シティローストぐらいから、確かな苦味を感じ始め、フルシティローストになる頃には苦味が酸味を逆転してきます。苦味をメインに味わいたい方はフルシティロースト以降の焙煎具合の豆を使ってコーヒーを淹れると、深みのある苦味を楽しむことができますよ。

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