コーヒーの風味を決定づける大切な乾燥工程はパティオで行われます。聞きなれない言葉「パティオ」はコーヒーの品質を左右するコーヒー豆の生産工程のひとつです。今回は、コーヒーの風味の決め手であるパティオについてご紹介します。
パティオとは
パティオとは、コンクリートやレンガでできた広場のことを指し、伝統的なコーヒー豆の乾燥場のことを言います。精製処理後の濡れたコーヒー豆を、太陽や風、地熱によって自然乾燥させる広場で、ビニールシート上にコーヒー豆を広げて乾燥させる地域もあります。
パティオのメリット&デメリット
- メリット
パティオのメリットは、自然乾燥なので設備投資がいらず経済的な点と、作業工程が少ないところです。天候に左右されやすく、乾燥時に天気が良いと品質の良いコーヒーになるといわれています。 - デメリット
パティオのデメリットは、コーヒー豆を踏んでしまう可能性や、土に触れて土臭がコーヒーにうつること。雨や湿気などで、コーヒーが発酵してしまう場合があることです。
パティオでの仕事
パティオでの乾燥は、コーヒー豆を広げてからが勝負です。太陽光がきちんとあたるように太陽の向きに合わせてコーヒー豆の広げ方を変えたり、均一に乾燥させるため、定期的にコーヒーを撹拌させなければなりません。
気温の高い時は乾燥が進みすぎないようカバーで日陰を作ったり、雨が降りそうな時はコーヒー豆が濡れないよう調整するのです。パティオで働く1人1人のこういった手間が、一杯のおいしいコーヒーへとつながっている、その表現に間違いはありません。
乾燥工程はコーヒーの品質に大きく影響する
コーヒー豆の品質を保つには、コーヒーを適切な水分値になるよう乾燥させることが大切です。乾燥そのものが、出荷時のコーヒー豆の品質に大きく影響する、ということです。
きちんと乾燥させるため、パティオでの乾燥の後、機械で低温乾燥させて仕上げるところもあるようです。
風味に影響する
コーヒーの乾燥方法は、自然乾燥、機械乾燥、自然と機械の併用乾燥、棚上での自然乾燥があり、その国や地域によって選ばれる方法が違いますが、どれだけ適切に乾燥できるかという点が、コーヒーの風味にも影響を及ぼします。
高温すぎてもいけない、乾燥が進み過ぎてもだめ、乾燥ムラがあってはならないなどコーヒーの品質を保つには細かな気遣いが必要なのです。
コーヒーの風味の決め手「パティオ」とはまとめ
パティオとは伝統的なコーヒー豆の乾燥場のことで、精製処理後の濡れたコーヒー豆を自然乾燥させる広場です。
天候に恵まれれば乾燥が順調にすすみ、豊かな風味のコーヒーができますが、悪天候が続くとコーヒー豆が発酵してしまったりとダメージをもたらし、コーヒーの品質が下がる場合も少なくありません。
品質の良いコーヒーを作るためには、コーヒー果実の完熟度合い、精製処理、適切な乾燥など、全ての条件が揃わなければなりませんので、パティオでの乾燥がコーヒーの風味の決め手のひとつである、ということに間違いありません。コーヒーって、いろいろな手間がかかる分、美味しくなるのかもしれませんね。