コーヒー豆が出荷されるまでの工程をおおきく分けると、精製、乾燥、選別という工程があります。「アフリカンベッド」と呼ばれる乾燥工程は、スペースがない場所でも効率良くコーヒーを乾燥させる方法として注目されています。今回は「コーヒーの品質を上げるアフリカンベッド」についてご紹介します。
コーヒーができるまで
コーヒー果実は収穫後、ナチュラルやウォッシュトなどの精製処理が終わると乾燥工程に入ります。乾燥方法は、天日干し、機械乾燥、棚上での天日乾燥、天日と機械の併用乾燥にわかれます。出荷前に脱穀・選別され、品質検査を合格したものだけが輸出されます。
うまく乾燥させるための工夫
自然乾燥の場合は、太陽光が均一にコーヒー豆に当たるよう、コーヒーの向きを変えたり、定期的に撹拌したり、乾燥がかたよらないようにしなければなりません。
雨に当たるとコーヒー豆のダメージになってしまうので、悪天候の際はコーヒー豆を布で覆う必要があります。機械乾燥でも、高温すぎるとコーヒー豆のダメージにつながってしまうため、細かな温度調整が必要になります。
こういった手間をかけ、適切に乾燥されたものだけが品質の良いコーヒー豆として市場に売り出されるのです。
アフリカンベッドとは
アフリカンベッドとは東アフリカで普及している乾燥方法のことを言い「アフリカンベッド方式」と呼ばれています。木製の棚に金網を付け、麻袋などを敷き、その上に精製処理が終わったコーヒーを広げて乾燥させる方法です。
パティオ(コンクリートやレンガでできた広場)が作れない地域でも、アフリカンベッドなら効率良くコーヒー豆を乾燥させることができます。(棚上での天日乾燥ともいいます。)
アフリカンベッドを使用することで乾燥が適度に進行するといわれており、中米のスペシャルティコーヒー生産者の間でもアフリカンベッド式を採用するところが増えています。
乾燥工程は品質に影響する
コーヒーの乾燥工程はコーヒーの品質に大きな影響を与えます。乾燥にムラがあると、貝殻豆や欠け豆などの欠点となり、焙煎ムラになったり腐敗やカビが発生し悪臭の原因になってしまいます。乾燥工程ひとつをとっても、コーヒーの品質を保つ重要な役割を担っているのです。
ピッキングも大事
高品質のコーヒーを作るためには、完熟した果実のみをピッキングすることも大切です。ピッキングとは、収穫直後に熟度をそろえる時、また脱穀後にコーヒー豆の欠点をチェックする時に行われます。
果実の段階できちんとピッキングがされていれば、必然的に欠点豆が減り、乾燥中にカビなどが広がる心配もなくなります。熟度にばらつきのある果実を一緒にすると乾燥にもばらつきが出てしまうので、ピッキングも乾燥と同様にコーヒーの品質を保つためにとても重要な工程となります。
コーヒーの品質を上げる「アフリカンべッド」 まとめ
アフリカンベッドとは、コーヒー豆を天日乾燥させるために作られた棚のことです。広い乾燥スペースが作れない‘東アフリカ地域’で主に行われています。
パティオとよばれる地面にコーヒーを広げる方法では、乾燥ムラがでたり天候に左右されたりと、コーヒーが欠点豆になるリスクが高まります。その反面、アフリカンベッドは風通しが良く全体的に適切に乾燥が進むので、品質の良いコーヒーができるといわれています。
おいしいコーヒーになるため完熟果実のみを使用するのはもちろん、乾燥工程も重要なのです。スペシャルティコーヒー生産者の間でも採用されはじめているアフリカンベッド。是非、コーヒーの豆知識として覚えておいてくださいね。