近年、街中にはカフェが立ち並び、自宅で手軽にコーヒーが淹れられるコーヒーメーカーも進化を遂げています。身近になったコーヒーですが、コーヒーにまつわる言葉で曖昧に理解しているものはありませんか。
今回はレギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの違いについてお話ししたいと思います。
レギュラーコーヒーとは
コーヒー豆を焙煎し、粉砕(グラインド)した粉を、 専用の器具を用いてコーヒー液を抽出する飲み方の総称で、和製語です。主に、風味や香りに優れているアラビカ種の豆が使われています。
(安価なレギュラーコーヒーの増量用としてロブスタ種が使われていることもあります。)
レギュラーコーヒーの代表的な抽出方法
ドリップ
ドリッパーにフィルタ(ろ過材)をセットし、抽出する方法です。フィルターに紙を用いるペーパードリップ、布を用いるネルドリップなどが有名です。 専用の機器を用い、水で抽出するウォータードリップ(水出しコーヒー・ダッチコーヒー)もあります。
サイフォン
真空濾過式と呼ばれ、フラスコのお湯をアルコールランプで熱して、蒸気の圧力によってお湯を移動させて抽出します。
コーヒープレス
コーヒー粉と湯をポットに入れ、金網フィルターで粉を押し下げてコーヒー液と分離させ抽出する方法です。
コーヒーメーカー
水とコーヒー粉の量を計り専用の機器にセットするだけで、自動でコーヒー液が抽出されます。
エスプレッソマシン
コーヒー豆を深煎り・極細挽きにし、高温高圧の蒸気で一気に抽出します。
インスタントコーヒーとは
お湯に溶かすだけで簡単に飲めるインスタント食品で、コーヒー抽出液のみを原料とする製品です。コーヒー豆を焙煎し、粉砕(グラインド)した粉から抽出したコーヒー液を濃縮して、水分を除去(乾燥)し粉末状に作られます。
使われるコーヒー豆は、病害虫に強く低地でも栽培可能で安価に供給されるロブスタ種が多く、アラビカ種に比べると風味や香りは劣ります。
インスタントコーヒーの製造方法
スプレードライ
濃縮したコーヒー液を高温で乾燥させ粉末状にする方法です。200度近くの高温で乾燥させるため、香りが飛んでしまう欠点があります。製造コストは抑えられるため、安価で提供され広く普及しています。
フリーズドライ
濃縮したコーヒー液を零下40度前後で凍結・粉砕し、低圧下で乾燥(昇華:水分は氷の結晶として除去)させる方法です。
乾燥を低温下で行うため、スプレードライに比べると香りが保たれています。その高度な技術には膨大なコストがかかるため、小売価格は高くなってしまいますが、レギュラーコーヒーに近い香りが楽しめるとあって、日本での消費は伸びています。
アグロマート
スプレードライで作られたインスタントコーヒーの粉末に微量の水分と熱を加えて溶かした後、冷却して再度乾燥させます。粒子が集まり顆粒状のインスタントコーヒーになり、スプレードライ粉末に見られる気泡がなくなるため水に溶けやすく、アイスコーヒーに向いています。品質はスプレードライと変わりません。
レギュラーコーヒーのメリット・デメリット
メリット
- コーヒー本来の味わいや芳醇な香りが楽しめる
デメリット
- 抽出のための器具の準備や使用後の手入れが必要
- 時間がかかる
- 抽出方法によっては技術や知識の有無で味わいに差が出る
インスタントコーヒーのメリット・デメリット
メリット
- お湯を注ぐだけですぐ飲める
- 場所も取らず、片づけも楽
- 経済的
デメリット
- レギュラーコーヒーに比べると、香りも少なく、風味も劣ることが多い
レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーの違い まとめ
レギュラーコーヒーもインスタントコーヒーも抽出法・製造法の違いや使われる豆の種類で様々な味わいになります。どちらが良い悪いではなく、その違いを理解し、その時の気分や状況に合わせて選び楽しむのが一番ではないでしょうか。