カフェオレと言えば、フランスの朝食の定番というイメージ。今回は、フランスでのカフェオレの飲み方についてご紹介します。
カフェオレは朝に飲むもの?
日本では、カフェオレは時間を問わず楽しむものとして認識されがちですが、本家フランスではカフェオレは朝食の時にパン類と一緒に楽しむことが多いです。
ミルク入りのコーヒーは栄養バランスがよく、朝食にピッタリという説もありますが、目を覚ますためにコーヒーを飲みたいけれど、ブラックで飲むと刺激が強いので、和らげるためにミルクをプラスしたという説もあります。
カフェオレ専用食器がある
カフェオレを飲む専用の食器「カフェオレボウル」をご存知でしょうか。Bol(フランス語)という名前のイメージ通り、日本でいうどんぶりやボウルのような大きな食器のことをカフェオレボウルと呼びます。
もともとはスープボウルだそうですが、コーヒー文化が浸透してきたことによりスープボウルにカフェオレを入れて飲んだのがそのまま定着したのではないかと言われています。また、フランスではカフェオレはたっぷりと飲むことが多いようで、現在でも多めに淹れて飲むことのできるカフェオレボウルが親しまれているとのこと。コーンフレークを加えて楽しむことも多いようです。
マナーに厳しいフランスでもカフェオレは特別?
カフェオレボウルには取っ手がなく、基本的に両手で持ち上げて飲む方法が一般的とされています。
フランスの食事マナーとして、食器を持ちあげて飲食をすることはタブーとされているのですが、カフェオレボウルだけは持ち上げてグイッと飲んでもいいそうです。食事マナーには反しているものの、文化のひとつとして普及している飲み方なのだと考えると、なんだかちょっと面白いですよね。
フランスコーヒーの歴史
フランスにコーヒーが広がり始めた1800年頃、既にワイン文化が浸透していたためワイン商によって「コーヒーは健康に悪影響を与える」という、風評被害にあったと言われています。
もちろん迷信なので、コーヒーが浸透するのにそれほど影響はなかったようですが、当時コーヒーはとても高価で、中流家庭で楽しめるようになったのは1870年代、一般家庭で普通に飲めるようになったのは1920年頃だと言われています。
カフェオレが推奨されたきっかけ
ちなみに、カフェオレが推奨されはじめたのは1685年、フランス人医師モナン氏が「コーヒーにミルクを入れれば、悪影響はなく、健康に良い。」と説き、医療的な役割を以って普及させたのがきっかけだといわれています。
フランス流カフェオレの楽しみ方
フランスでは、カフェオレにパンを浸しながら楽しむのが一般的とされています。フランスの朝食というと優雅なイメージがあるかもしれませんが、フランスでは夕食は時間をかけてじっくり楽しみますが、朝食はパパッと短時間で済ませることが多いそうです。
バターやジャムがついていても関係なし
カフェオレに浸すパンは、コレと決まっているわけではないようです。バゲットだったりクロワッサンだったり、家庭によっては前日の残りを翌朝に食べることも。
面白いのは、パンにジャムやバターをたっぷりと塗っていても、とにかくカフェオレに浸して食べるスタイルは変わらないということ。日本ではあまり行儀が良いイメージではなく、普通と呼ぶには少し異質な楽しみ方ですよね。
フランス流に楽しんでみよう
フランス流にカフェオレを楽しんでみよう!ということで、チョコチップ入りのパンを、カフェオレに浸して実際に食べてみました。正直なところ・・・私は別々にいただきたいと思ってしまいました。
パンをカフェオレに浸すと、パンがしんなりとして食べやすいのですが、カフェオレの味が強く、パンの味がわからなくなってしまいます。バターやジャムをつけていたら、もっと複雑な味わいになりそうですが、試すにはちょっと勇気がいります。
でも、これがフランス流の楽しみ方ですから、食べ慣れれば美味しくなるのかもしれませんね。
世界のコーヒーの飲み方【カフェオレ】まとめ
カフェオレ専用ボウルにたっぷり入ったカフェオレに、パン浸しながら朝食を楽しむフランスの人々。バターやジャムをぬってあってもお構いなし、クッキーなどの焼き菓子を浸すこともあるほど、この食べ方は根強く習慣となっているようです。
気になるカフェオレ用のコーヒーですが、健康嗜好の人や子供はノンカフェインの穀物コーヒーで作ることもあるそうです。無意識にカフェオレにパンを浸してしまうフランス流のスタイルを取り入れて、パリっ子気分を味わってみるのも面白いかもしれませんね。