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セブンカフェの歴史

セブンカフェの歴史

セブンカフェが今では当然のようにありますが、当時、セブンイレブンはおいしいコーヒーを生み出すため、過去に5回もの挑戦をしていたことをご存知でしょうか。今回は、セブンカフェの歴史についてお話ししたいと思います。

30年戦争とセブンイレブンの挑戦

今から30年前の1980年代前半当時、喫茶店のコーヒー販売量は、平均すると50~100杯でした。それに対し、セブンイレブンでは1ヶ月に7846杯ものコーヒーが販売され、1日に260杯ものコーヒーが飲まれていました。

味と香りを保つには

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セブンイレブンは、30年前からすでにコーヒーへの挑戦をはじめていたのです。当時は店頭のコーヒーサイフォンでコーヒーを作り、注文があるたびにコーヒーを小分けするという方法で販売されていました。

しかし、店舗が忙しく、コーヒーの味と香りを保つため1時間ごとに作り替えるというマニュアルは、なかなか実行されにくかったのです。そこで見直すことにしたのが、コーヒーマシンです。

ドリップ式にしてみたものの・・・

1988年に、2度目の挑戦が始まったのです。サイフォン式から、注文を受けその場で1杯ずつ作るドリップ方式へと切り替えたのです。

この方法ならコーヒーの新鮮さも保て、余ったコーヒーを捨てなくて済むと考え、木村コーヒー店(現在のキーコーヒー)がセブン用に開発したコーヒーマシンを3500店舗に導入しました。コーヒーの種類も1種類から、ライト・ミディアム・ビターと、この段階で3種類に増やしています。

しかし、この方法にも欠点があったのです。お湯を入れるためのポットを、長時間ヒーターの上に置くことにより、焼き芋のような異臭が店内に漂ってしまったのです。結果的に2度目の挑戦も断念しなければならなくなったのです。

粉末では味を損ねてしまう・・・

2度目の挑戦から約2年後1990年には、異臭の問題を解決するためにカートリッジという方法に切り替えることにしました。しかし、コーヒーを粉末状にしたためにコーヒー本来の風味が飛んでしまい、味が損なわれてしまったため、3度目の挑戦もあえなく断念という結果になりました。

バリスターズカフェによる挑戦

何か方法があるのではと挑戦を重ねること4回目。この時期、スタバなどのカフェではエスプレッソやカフェラテが大人気になっていました。そこでセブンが始めたのが「バリスターズカフェ」です。

2002年に、数店舗でセルフ方式のエスプレッソの提供を開始し「バリスターズカフェ」は若い世代を中心に、安定した人気を得ることが出来ました。

しかし、1店舗当たりの売り上げは、1日25杯。万人受けするコーヒーを望んでいたセブンにとって、ビジネス面でも決して満足がいく結果ではありませんでした。とはいえ、日本人の嗜好にはペーパードリップ式が合うという調査結果が得られたことは大きな収穫だったそうです。

万人受けするコーヒーを目指す

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実に4回もの失敗を経て、5回目に挑んだのが2011年。これまで行った試行錯誤の経験を基に、おいしくて飲みやすい本格派コーヒーをを目指し、万全の体制で開発に2年間以上かけました。

まずは200社のコーヒーの味を分析し、飲みやすさと飲み応えの最適なバランスを見つけ、万人受けするコーヒーの味を決めるところから始まりました。しかし「1杯ずつ豆を挽いて淹れることのできる」という、セブンが求めるコンパクトなコーヒーマシンは当時存在しなかったのです。

コーヒーマシンの開発

そこで富士電機と協業し、研究を重ねたのだそうです。豆を挽くグラインダー、挽いた豆に空気を送り込み、お湯の中で攪拌する仕組み、コーヒーの出がらしを入れるバケツやコーヒーマシンの操作しやすさなどを徹底し、吟味することおよそ1年。ついに、セブンの求めていた小型の新型コーヒーマシンが共同開発されました。

こだわりの味を追求

調達するコーヒー豆は100%アラビカ種、生豆の精製方法は焙煎時に雑味が残らないウォッシュド方式にし、モニター調査を繰り返し行いました。

さらに全国1万6000店舗に供給するため、安定してコーヒー豆を入手できることも重要であるため、コーヒー豆の調達は、日本初の総合商社と言われている三井物産が担当することになったのです。

「セブンカフェ」という名の由来

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セブンカフェには、これらの積み重ねてきた挑戦からくるたくさんの「想い」が込められています。「モノ」としてコーヒーを売るのではなく、「カフェ」として上質な時間を提供したいとの想いから「セブンカフェ」という名が付けられ、万全の準備をして開発されたセブンカフェが誕生したのです。

手軽に、安価に、美味しいコーヒーをいつでもどこでも購入することができる。私たちの知っているコンビニコーヒーには、数多くの努力と研鑽、そして長い年月が費やされてきたのです。そういった背景を知っていくと、たったの100円で飲めるコーヒー1杯にも、なんだか奥深い味わいが広がりそうな気がしますよね。

セブンカフェの歴史 まとめ

30年もの年月をかけて5回もの挑戦を行い進化してきたセブンカフェ。今でも常に仮説検証を繰り返し、改善を図っています。

現在では、当たり前のように飲むことの出来るセブンカフェコーヒーには、30年戦争とも言われた、セブンイレブンの歴史が深く刻まれているのです。

この歴史を知ったことにより、今までとは違ったセブンカフェのコーヒーを味わうことが出来るかもしれません。

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coffeemecca編集部

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