「コーヒー豆にこだわってみよう!」そう思う方がまず考えることは「コーヒーミルどうしよう?」という疑問ではないでしょうか。
コーヒーミルには様々な種類があり、どれを選ぼうか迷ってしまうところです。そこで今回は、初心者向けの「コーヒーミルの選び方」について紹介していきます。
コーヒーミルの選び方①:手動?電動?
コーヒーミルを買う時の最初の選択肢は「手動にするか?電動にするか?」です。
そして悩む方の多くは、アンティークな手動ミルか、楽々な電動ミルかという点。もしくは価格面で悩む方もいるかもしれません。そこでまずは、手動・電動の双方のメリット・デメリットを考えていきましょう。
手動ミルのメリット・デメリット
- メリット
・電動に比べ、価格が安い
・芸術・デザイン性が高い
・コンパクトなものが多い - デメリット
・電動に比べ、挽く時間が掛かる
・挽くときに力が必要
・一度に大量に挽くことができない
・ネジで(=マニュアルで)粗さを調整する
電動ミルのメリット・デメリット
- 電動ミルのメリット
・簡単に挽くことができる
・一度に大量に挽くことができる
・(ワンタッチの場合)他の作業と並行して挽くことができる
・粗さの調整が容易 - 電動ミルのデメリット
・重量や面積が大きい
・価格はやや高め
・モーター音が大きい
手動ミル・電動ミルのメリットを比較してみよう
手動ミルは「マニュアル&マンパワー」のため、日常的に使うには面倒です。しかし価格の安さやインテリアとしてのメリットもあります。
一方の電動ミルは、マンパワーではないので楽にコーヒー豆を挽くことができます。ただし、性能の高いものは1万円を超えるなど高価なものが多く、また、
モーター音がするため集合住宅では周囲への配慮が必要になってきます。
それではメリット・デメリットを踏まえて、次は使用する環境面でミルを見ていきましょう。
コーヒーミルの選び方②:使う環境はOK?
意外と考えなければいけない点が、コーヒーミルを使う環境です。どれだけ性能が優れていても、使う環境を考慮して選ばなければ、実用性は発揮されません。コーヒーミルを使う環境として、具体的には、「頻度・設置場所・音」といった事柄が挙げられます。
どれくらいの頻度?
例えば高頻度で用いる方は、手動では煩わしさが増すため、手軽な電動がおすすめです。そのため、連続使用に耐えうる堅牢な作りのものが良いでしょう。また、一度に大量のコーヒーを淹れる方は、100gほど挽ける大型のミルが必要となります。
こうした使用頻度に合わせたコーヒーミル選びは意外と見落とされがちです。今一度、購入を考えているコーヒーミルが合っているのか考えてみてください。
設置場所を考えよう
大きくて良いものを買えば良いのかというと、一概にそうは言えません。大型のコーヒーミルは基本的に設置型なので、設置できるだけのスペースを確保する必要があります。もし使用しない場合に棚に片づけるのであれば、小型ミルの方が持ち運びが楽なのでおすすめです。
また、寸法が合っていても気を付けなければなりません。
電動ミルの場合、機種によってはスイッチが横や後方に付いていることもあります。また、設置型の手動ミルの場合、コーヒーミルのハンドルを回せるだけのスペースを確保しなくてはなりません。
もし冷蔵庫のようにピッタリしたスペースに置いた場合、スイッチが押せない、ハンドルが回せない等、本末転倒な事態になりかねません。
音は大丈夫?
最後に、環境で最も重要な点が「音」です。集合住宅の場合、音の大きいコーヒーミルでは、隣人に騒音被害を与えてしまう恐れがあります。これはモーター音を発する電動ミルだけではありません。壁掛け式の手動ミルの場合、壁に反響して音が大きくなることもあります。
こうした騒音を発すると、隣人に迷惑なだけでなく、夜間早朝にコーヒー豆を挽けなくなる等、ご自身にも不都合が生じてしまいます。
コーヒーミルの選び方③:性能で見てみよう
性能面において最大のポイントは粒子(粉の粗さ)です。コーヒーは粗挽きか細挽きかで風味が大きく異なります。そのため、粉の粗さのバラつきがあると、味にブレが生じてしまうのです。
そしてその問題のバラつきは、コーヒーミルの性能に大きく左右されます。それでは最後に、ミルの性能…特に粉に挽く構造を見ていきましょう。
コニカルカッター(臼式ミル)
一般的にコーヒーミルと聞いて多くの方が想像するものが、このコニカルカッターです。
このタイプのミルは、臼のようにコーヒー豆をすりつぶして挽く構造になっています。粒ぞろいは機種によりますが、比較的良好で普段使いに困る性能ではありません。
コニカルカッターは、ミルの中では最も一般的なタイプで、家庭用ミルの標準モデルと考えていただいて構いません。また、手動ミルの多くがこのタイプとなっており、1,000円から購入することができます。対して電動ミルでは4,000円からと、中程度の価格帯となります。
デメリットとしては、高速回転する電動ミルでは回転熱で香りが飛ぶ「オフフレーバー」が起こる機種もあります。しかし、コストパフォーマンスの良い種類なので、迷っている方はコニカルカッターの物を選ぶと良いでしょう。
- 粒ぞろいは比較的良好
- 手動ミルの大半、家庭用電動ミルの主流
- コストパフォーマンスに優れる
プロペラ式ミル(電動ミルのみ)
プロペラ式ミルは、一言で表せば「フードプロセッサー」です。このミルの大きな特徴は、価格の安さと使い方にあります。構造は2つの刃でコーヒー豆を破砕するだけのシンプルな構造のため、価格は非常に安く、1,000円程度から購入可能です。
そして、プロペラ式ミルは使い方も特徴的です。多くのミルは臼や刃の間隔の広さで粒度を調整します。しかしプロペラ式ミルは「挽く時間」で調整します。つまり、長時間挽くほど細挽きになります。
デメリットとして主に見られる点が「粒ぞろいの悪さ」です。刃が当たる豆と当たらない豆で、粒度に差が出てしまいます。こだわりたい方からは、この性能は安かろう悪かろうに映ってしまうかもしれません。
- 電動ミルのみ
- 価格が安い
- 粒ぞろいはあまり良くない
カッティングミル(ディスク式)
このカッティングミルは、2枚の回転刃の間でコーヒー豆を切り刻む構造のミルです。
何といっても粒ぞろいが良く、また堅牢で連続使用や大量挽きに向いているコーヒーミルです。そのため、カフェなどでも頻繁に見掛けることができます。
ただし、価格が10,000円以上と高価なものが多く、初心者には手の出しづらいコーヒーミルでもあります。とはいえ、これからずっとコーヒーを淹れ続けるのであれば、買って損しない高性能ミルでもあります。
- 粒ぞろいが良い
- 価格が高い
- 堅牢で長持ちする
自分に合ったコーヒーミルを選ぼう
コーヒーミルは、性能はもちろんのこと、実際に使うことも想定しなくてはなりません。特に使う環境に関しては、買ってみてから問題が……ということが多々あります。
そのため、今回のポイントを参考に、後悔のないコーヒーミル選びをしていただければ幸いです。