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冷コオと呼ばれるコーヒーとは

冷コオと呼ばれるコーヒーとは

「冷コオ」と呼ばれるコーヒーをご存知でしょうか。関西圏に住む方は、もしかしたら一度は耳にしたことがあるかもしれません。今回は、なじみのない方も多い「冷コオ」についてご紹介します。

冷コオとは

冷コオとは「冷コーヒー」の略称で、関西圏の喫茶店で使われていたアイスコーヒーの呼び名です。昭和の高度経済成長期に、関西の喫茶店に開店ラッシュの波が来ました。その時代に生まれたのが「冷コオ」を始めとする独特の喫茶店用語です。

さまざまな喫茶店用語

喫茶店用語として広まっている言葉は、もとは店員が厨房に注文を通す際に使う用語でした。独特の呼び名には、「冷コオ」の他にも「レスカ(レモンスカッシュ)」、「レティ(レモンティー)」、「ミティ(ミルクティー)」などがあります 。

また、コーヒーや紅茶に入れるクリームは「フレッシュ」として広まっていますが、これも関西独特の文化から生まれた喫茶店用語です。

関西の喫茶店の歴史

関西のコーヒーの普及は、明治時代からと日本の中でも比較的早くから始まりました。関西は、貿易港だった神戸など、地理的にも西欧文化に触れる機会が多かったため、コーヒーを扱う商社が多く、いち早くコーヒーを出す店もありました。

昭和に入り高度成長期には、大阪を中心に数多くの喫茶店が出来ました。喫茶店開店ラッシュの当時は、オフィスが狭く応接スペースがないため、商談の場に喫茶店が活用されていたそうです。

独特の喫茶店文化

喫茶開店ラッシュが始まった当時、店同士でアイデア競争が展開され、関西圏独自の様々なサービスが生まれました。「冷コオ」のような喫茶店用語の他、ミックスジュースやおしぼり、店備え付けの雑誌や新聞、木目調やれんが造り。ソファを置く内外装など、今では当たり前のスタイルもこの頃関西で生まれました。

消えゆく喫茶店用語

最近では、全国チェーン店のいきおいに押されて老舗の喫茶店は激減しました。喫茶店で「冷コオ」と頼んでも、若い世代には通じなくなってきているようです。古き良き喫茶店用語を目にしてみたいのであれば、関西圏や名古屋の純喫茶に足を運んでみると見ることができるかもしれません。

アイスコーヒーのルーツ

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一般的に、マサグランと呼ばれるものがアイスコーヒーのルーツと言われています。マサグランとは、1840年頃にアフリカのアルジェリアで、フランスの外人部隊員らがコーヒーを冷たくしてリキュールと砂糖を混ぜたものをいいます。冷コオ、もといアイスコーヒーのルーツは、実はアルコール飲料、ということになります。

冷コオと呼ばれるコーヒーまとめ

冷たいコーヒーを、関西の喫茶店では「冷コオ」と呼んでいた時代があったのです。アイスコーヒーの名称ひとつをとっても、コーヒーには面白い歴史があります。今ではあまり使う機会も少なくなった喫茶店用語ですが、関西に行ったときは「冷コオ、お願いします」と頼んでみると、老舗の喫茶店なら、もしかしたら通じるかもしれません。

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coffeemecca編集部

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