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コーヒーにおける「カッピング」とは

コーヒーにおける「カッピング」とは

コーヒーにも、ワインソムリエのテイスティングと同じような仕組みがあることをご存知ですか。今回は、コーヒーのカッピングについてご紹介します。

カッピングとは

カッピングとは、コーヒーの「甘味」「酸味」「苦味」、さらに余韻などの「香り」など、品質の良し悪しを客観的・総合的に判断することを言います。コーヒーは嗜好品のため、人によって好みが異なりますが、あいまいで主観的な味の世界を客観的に評価しようとするのが、カッピングの目的です。

買い付け時にもカッピング

カッピングはコーヒーの産地や生産国で実際に行われており、 コーヒーの持ち味を判断するのに一番確実な方法です。産地でコーヒー生豆の買い付けをする際にもカッピングを行い、購入するかどうかの判断基準としているのです。

カッピング評価の基準

カッピングは大きく分けてSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)方式と、COE(カップ・オブ・エクセレンス)方式の2つがあります。

SCAAの評価基準

SCAA(Special Coffee Association of America)という団体の場合、素材(生豆)の評価・ロースト(焙煎)の評価・ブレンドの評価・カッパー技能の評価を行います。その上で、下記のようにコーヒーの評価付けを行います。

  • 90点以上:個性が明確
  • 85点以上:産地の特徴が明確
  • 80点以上:クリーンなコーヒー

SCAAの評価では、コーヒーの個性に比重を置いています。80点以上でスペシャルティコーヒーと呼ばれ、それ以下はプレミアムコーヒー、さらにコマーシャルコーヒーと分類されていきます。

また、90点以上ではTop of Top(トップ・オブ・トップ)とも呼ばれ、大変貴重なもので流通量が少なくオークションなどで主に取引されています。

COECup of Excellence)方式の場合

基本的にSCAA方式と変わりませんが、異なるのは審査される項目の違いです。COE方式はSCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)やSCAE(ヨーロッパスペシャルティコーヒー協会)でも採用されている方式です。

COE方式の特徴

COE方式は、コンペティションなどにおいて、スペシャルティコーヒーの中でもトップクオリティのものを探すのに向いています。コンペティションでは、世界中のコーヒー豆がカッピングを経て審査され、インターネットオークションにかけられます。

その豆は世界中のコーヒー業者が入札し、オークションで決まった買い取り代金はすべて生産者に渡されます。

コーヒーの味覚の表現方法

コーヒーの表現では下記のような表現が使われます。「○○のような」といった形容詞が多いですが、オレンジやオイルなど、名詞もいくつか出てきます。長さや「響く」といった単語も使われます。

  • Aroma(香り)
    スパイスのような、ハーブのような、ナッツのような、花のような、カラメルのような、バニラのような、ワインのような、果実のような、草のような、枯れた、青臭い、土っぽい、発酵した、焦げた
  • Acidity (酸味、爽やかさ)
    なめらかな、穏やかな、鮮やかな、爽やかな、やわらかな、甘いような、果実のような、りんごのような、レモンのような、オレンジのような、桃のような、マンゴーのような、ヨーグルトのような、きつい、刺激のある、酢のような
  • Body(コク・口あたり)
    脂っこい、バターのような、クリームのような、オイルのような、きめ細かな、滑らかな、豊かな、絹のような、ベルベットのような、水っぽい、軽やかな
  • Aftertaste(余韻)
    長く続く、響き渡る、まろやかな、フレッシュな、甘い、すぐ消える、渋みが残る
  • Clean(きれいさ)
    きれいな、汚れのない、透明感のある、濁っている

コーヒーにおける「カッピング」まとめ

カッピングとは、数あるコーヒーを分類し、ランク付けすることで、より品質の高いコーヒーを消費者に届けるために行う工程のことを指します。また、丁寧にコーヒーを栽培してきた生産者に対し、労働に見合った対価を支払うためにも重要なのです。

ご自宅でも、利き酒のように様々な種類のコーヒーを飲み比べて「カッピング」してみてはいかがでしょうか。新しい味に出会えるかもしれません。

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coffeemecca編集部

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