コーヒーをもっと趣味に

ローヤル珈琲店 本店

ローヤル珈琲店 本店

古き良き時代を彷彿とさせるレトロ喫茶

秋の午後、一人浅草の街を歩いていた時だった。

これはやられた!と思い私は足を止めた。

ローヤル珈琲店_外観1

ローヤル珈琲店_外観2

 

何十年も変わらない古い珈琲店の雰囲気が外観からにじみ出ていた。その名も「ローヤル喫茶店」。色褪せた写真、手書きのお知らせ、ロゴマークのフォント、どれもこれも完璧だ。これぞ、喫茶店好きが好きな喫茶店。

ローヤル珈琲店_ロゴ

入口には、1962年創業の文字。間違いない、そう確信して入店した。席に着く頃には、今日はそろそろ紅茶を飲もうかなという気持ちも消えていた。どこの喫茶店にもあるような古いデザインの銀食器。このシュガーケースは、喫茶店感が上がる必須アイテムだと思う。

ローヤル珈琲店_銀食器

初めての店では必ず定番のブレンドを注文する。ブラックコーヒーに合いそうなデザートを探していると、「ひと味違います」と書かれたバニラアイスのポップが目に飛び込んできたが、これまたここでしか食べられなさそうなチーズケーキが、長年愛されてきた味ですと言いたげにメニュー表からこちらを見ていた。今日はこれだ。

ローヤル珈琲店_コーヒーとケーキ

「ベイクドなのにレアチーズケーキのような食感」という紹介文通り、しっとりとした舌触りと口の中に広がる濃厚さに感激する。小ぶりのサイズだが、重量感がある。添えられているレモンにケーキを押しつけて食べてみると、ほんのりと丁度いいレモン風味になりさっぱりした味わいも楽しめる。酸味のある昔ながらのコーヒーと相性抜群だ。

ローヤル珈琲店_ケーキ

手際のいい店員の働きぶりを横目に、私の静かな時間が流れていく。臙脂のベンチソファが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。何十年も変わらずにそこにあったのだろう絵画や装飾品が、ここへ足を運ぶ客達を変わらず見守ってくれている。

ローヤル珈琲店_席

店の外に出ると、そこにはいつもの現実が待っていた。この場所は少しトリップした様な気持ちにさせてくれる。何か考えるよりも空っぽになりたい時、またここに来よう。

ローヤル珈琲店_看板

ローヤル珈琲店 本店 店舗情報

住所:111-0032 東京都台東区浅草1丁目39−7

移動時間:つくばエクスプレス浅草駅A1口 徒歩3分

営業時間:9:00〜21:00

定休日:無休

wifi:なし

電源:なし

喫煙:全面喫煙可

HP:なし

About the Author

A7ICE ART&design 兼松江梨

喫茶店天国愛知県出身のアートディレクター。「おしゃれカフェ<喫茶店」主義。古くから愛され続けているものに魅力を感じ、喫茶店巡りをするようになる。市内にある様々な珈琲店に祖父母とモーニングに行くのが子どもの頃からの娯楽。